普段の生活は何気なく思える風ですが、釣り全般において風は釣果を出す上で重要な要素です。管理釣り場における風の影響を簡単ではありますが紹介します。
釣りにおける風の影響は?
風速1~3m程度までは良い方に作用する事が多いです。風速3mを超えてくると悪い影響が目立ちだします。風速5mは冬のエリアフィッシングではならば許容範囲の基準ですが、ボートを出すような釣り場では再考した方がいいレベルです。注意しましょう。
良い所
風速1m~3m程度の適度に水面が揺れる程度の風であれば、水面が荒れる事で人の気配を消すのに役立ちます。特にクリアウォータの釣り場では、魚が感じるプレッシャーを低減させますので魚の反応は良い方向に作用します。
また水面が波立つ事で池の水は酸素を取り込みますので、池の溶存酸素が増える事が期待されます。
良し悪し
風が吹くと魚は徐々に風下の方向に寄っていきます。釣り座による偏りが出やすくなります。場所を変える判断材料になります。
悪い所
風速3mを超えてくるとラインやルアーの「風押し」に注意が必要になってきます。思わぬ方向へ風に流されてしまい、周囲の人とのトラブルにもなりやすくなります。
また物が風で飛ばされてしまったり、瞬間的な強風でロッドスタンドが倒れて落水するなどのトラブルもあります。ボート釣りを楽しむ場合は風には注意が必要です。
向かい風の時の注意点
向かい風の場合、ルアーが風に押し戻されキャストの飛距離が短くなります。戻されるようなら少し重めのルアーに付け替えるのも手です。またキャスト時のテンションが一定でなくなるためバックラッシュに注意が必要です。
風速3mを超える向かい風の時は、魚は手前の岸側に寄りやすいので、あまり遠くに投げなくても大丈夫です。
横風の時の注意点
横風の場合は隣の釣り人のライン跨ぎに注意が必要です。またラインが横風を受けると、ラインが押される事でルアーが浮かされ易くなり、自分が思っているよりも上を引きやすくなります。横風が気になる時は ①ルアーを重めの物に替える ②ライン径を細い物に替える事が主な対策となります。
逆に、この強い横風を利用して「ラインスラックを使った横へのスライド」など、普段できないようなルアーの見せ方もできますので、アイデア次第では横風も良し悪しです。
追い風の時の注意点
魚は風下の方にどんどん寄せられる事もあるので、遠投が必要になります。
その他強風時の注意点
山間地で風が巻くような地形は瞬間的な突風で、ロッドスタンドの転倒で落水など、思わぬ事も起こりますので注意が必要です。また強風時ボートフィッシングの場合、特に手漕ぎボートなどでは帰れなくなる事がありますので計画の再考が必要です。
● ライン:
・あらかじめ風が吹くのが分かっている地域ならば、季節風の時期はフロロなど細く重いラインを巻いておくのも手
● スプーン:
・竿先を水面ギリギリの低い位置でつかう
・重めのスプーンに替える、シルエットを小さくしたい時はブレードが肉厚のものを用意する
・薄いスプーンなら2枚重ね(初心者にはオススメできない)
●クランク:
・引き抵抗の強いDRクランクなどを使う
・クランクなら竿先を水中に突っ込んでしまいそもそも風の抵抗をなくしてしまう
無風の時
風が無く水面が穏やかな時は人間にとっては良い状況ですが、管理釣り場の魚にとってはストレスな環境と言われています。釣りをする上では「無風」はわずかにマイナスな要因です。人間が魚を見えるという事は魚からも人間が見えるという事。警戒心を与えないことが重要です。
クリア~笹にごりの池の場合
平水で池の中の魚が見える状態では、魚からも人間が見えている状態です。ですので警戒心をやわらげる工夫が必要になります。立ち位置を池の岸際から一歩後ろ(30cm~50cm)程度下がった位置にするか、しゃがんで釣りをすると良いでしょう。
マッディの池の場合
濁った状態であっても無風の平水時は、魚のプレッシャーを減らすために一歩下がって釣るのが良いでしょう。
まとめ
風が吹くとあらかじめ分かっている場合は、細いラインを準備しドラグ調整をしておくなど風対策は事前の準備で行っておきましょう。ロッドスタンドは必ずしも「軽い」物が最適というわけでもありません。季節と場所に応じて使い分けましょう。