管理釣り場の釣りで、ナイロンライン、フロロライン、PEライン、エステルラインの特徴は?
「ナイロンライン」は「はじめてのライン選び」でも触れましたが、管理釣り場用のラインとしては安価で、キャストもしやすく初心者でも使い易いラインと言えます。ポリアミドを素材にしています。魚を掛けた後もラインの伸びで、「ドラグ調整」のできない方でも、テンションを掛けてくれるのでバレにくいのが特徴です。ラインが水に比べてやや重い程度ですので、浮力で若干ですがルアーが浮かされやすい易いという特徴があります。ボトムの釣りには不向きです。どちらかというとスイープに「乗せ」ていく釣りに適しています。トーナメントシーンでもフッキングはするものの抜けてしまう状況下では掛けてからの安心感からナイロンラインが選択される状況も多々あり、全体的には大きな欠点が少なく扱いやすいラインと言えます。
「フロロライン(フロロカーボンライン)」はポリフッ化ビニリデンを素材とするライン。感度が良く「アタリ」が取り易く、根ズレに強い特徴があります。またラインが水に比べて重いのが大きな特徴で沈みが早く、冬場の低水温時のボトムフィッシングでは必須のラインとなります。また、風や波の影響を受けにくいという利点もあります。欠点としてはラインが硬いのでスプールの馴染みが悪く、トラブルになりやすいので、扱いに関しては中級者以上の方を推奨します。どちらかというと積極的にアタリを取っていく「掛け」釣り向きのラインです。ある程度慣れてしまえば管理釣り場の釣りでのメリットも大きく、非常に魅力のあるラインです。
「PEライン」はポリエチレンを素材とするライン。伸びがなくフロロライン以上に感度に優れ、引っ張り強度にも優れています。紫外線に強く、巻きグセになりずらいという点で耐久性に優れるといって良いでしょう。同じ号数でも細いために空気抵抗が少ない分、飛距離が出せるのが特徴です。また水に比べて軽いので浮きやすく、思っている以上にルアーが浮かされやすいのが特徴です。PEラインはしなやかさがある一方でコシがないので竿にまとわりつくので取り回しが難しい一面も。欠点としては傷がつくともろい一面もあります。またラインは魚からは丸見えですのでリーダー必須。このラインも積極的にアタリを取っていく「掛け」釣り向きのラインです。扱いに関しては慣れが必要な上に高価格と、管理釣り場の釣りではコンペティション向けのラインといえるでしょう。
最後になりましたが「エステルライン」です。ポリエステルが素材です。これは感度的にPEとフロロラインの中間に位置するラインと言われていますが、どちらかというとPE寄りと言って良いでしょう。フロロほど重くないものの水に対して沈むラインです。理屈から考えると横方向の釣りではレンジキープに優れているラインで、アンダー1gのスプーンでも浮かされにくいというメリットがあります。またラインにコシがあるため軽量スプーンを遠投する場面などでも有効です。一方で瞬間的な強度には弱く、また屈折率もやや劣るのでスナップ直結よりはリーダーを噛ましたほうが良いとされています。また紫外線による劣化にも弱いのが弱点です。スプールの馴染みが悪いのでバックラッシュ注意。巻き量を少なめにすると良いでしょう。若干扱い難いラインですが、ボトムも叩けてタフコンディションでアンダー1gの横の動きで1本を出したい場面で持っておきたいラインといえるでしょう。
●管理釣り場用でのナイロン、エステル、フロロ、PEライン比較
種類 | 利点 | 欠点 | その他特徴 |
ナイロン | 安価 取り扱い易い 魚を掛けた後安心 |
ボトム不向き | 若干浮かされやすい 伸びる |
エステル | 安価 感度はPEとフロロの中間 |
瞬間強度が弱い 劣化が早い |
やや沈むライン ボトムもこなす 伸びない アンダー1gの横 |
フロロ | アタリが取り易い ボトム向き 強風にやや強い |
やや取り扱い難 | 沈みが早い 少し伸びる |
PE | 非常にアタリが取り易い 遠投 |
高価 取り扱い難 リーダー必須 |
浮かされ易い 伸びない |
ラインの屈折率について
水中では光の屈折率が水に近いほど魚からは発見されにくい。
フロロはこの点でナイロンやエステルよりも優れています。PEに関しては光を透過せず、魚からは丸見え状態。ですのでリーダーはほぼ必須となります。
屈折率は優れている順に「フロロ>ナイロン>エステル>>>>PE」となります。