東山湖フィッシングエリアでの春時期の大会の試合中のワンシーン。似たようなブラウン系統のカラーリングのルアーがズラリと並びます。時間の限られたトーナメントにおいて、多くの選手は事前にローテーションを想定してカラーセッティングを澄ましておきます。今回は「事前にどうやって色を選択するか」について解説します。
試合時間内で出来る事は限られている
この日の1試合の時間は前半12分、後半12分の計24分。ワンキャスト1分弱としてもせいぜい1試合あたりで可能なキャスト数は30投程度です。通常の釣りであれば色を探る時間もありますが、試合中の限られたキャスト数の中でいちいち調べていては時間だけが過ぎてしまいます。上位の選手も持っている引き出しすべてを1試合の中で出し切って戦えるほど時間に余裕はなく、ある程度プラクティスや当日の状況、もっと言えば対戦している隣の相手の反応を見ながら、効率の良い作戦を選択するのが精いっぱいなのです。そういう点で色を絞り込んでしまい「色で悩まない」のも一つの手と言えます。
写真の選手の場合、メインの色は決めてしまい状況によって表層域からボトムまで対応する作戦のようです。春時期の場合、魚がいる層(レンジ)の幅が広く、東山湖の場合ごとにレンジも違う事が多いのでこのようなセッティングをしているのも頷けます。
差し色を活用
しかしながら同じ色ばかりを続けて使っているとシビアな状況では魚がスレてしまいます。そんな時は「差し色」と呼ばれる、似ていない系統のカラーを使います。濃いめのピンク~レッドのクリアー系もシーズン終盤の東山湖では定番の強いカラーです。もし差し色の反応が良ければしばらく様子見し、反応が悪ければメインのカラーに戻してみます。差し色を挟むことで反応が良くなる場合もあります。
その日の状況にあわせて
ブラウン系は冬場から使える東山湖鉄板色です。また蛍光色系もマッディのコンディションで活性の高い魚には有効なカラーとして定評があります。これらの定番的なカラーだけで戦うのも可能といえば可能ですが、ある時期だけ反応が良くなるカラーもというものもあります。この大会が行われた時期はアオコが水の中に混じることもあるので明るめなグリーンもリアクションで取る作戦も考えられます。桜の時期は薄いピンクカラーなども選択肢の一つになります。
※上記のカラーは4月~5月頃の東山湖の定番カラーです。