管理釣り場で使われる最もポピュラーなルアー「スプーン」。近年では(管理釣り場=エリア)と呼ぶことから管理釣り場向けスプーンの事を「エリアスプーン」と呼んだ方が馴染みがあるかもしれません。エリアスプーンは、ひとつのシリーズでだいたい20色前後用意されており、まるで色鉛筆を眺めているかのように多様な色が用意されています。初めて管理釣り場に行こうとした時、数ある色の中からいったいどの色を持っていけば良いのか?このページでは、「釣り場の状況」を切り口に、オススメ色を紹介したいと思います。
状況に応じたカラー選択
放流直後
放流直後は活性の高いフレッシュな魚が入っている時間帯です。今までルアーを見たことがない魚はどんなカラーでも興味を持ってアタックしてきますが特に自然界にない金属の光や蛍光色には強い興味を示し初心者でもハッキリと分かる、ひったくる様なアタリを出してきます。この「金色+蛍光」系統の放流直撃カラーは必須カラーといっていいでしょう。これらのカラーは短縮して「放直色」「放直カラー」などと呼ばれる事もあります。
管理釣り場以外でも、春の渓流や湖の解禁日などでも効果は高いカラーです。
放流直後のセカンド色
放流後のもっとも活性の高い魚が釣りきって反応が出なくなった後、今度は少し違った角度から食い気の高い魚を探していきます。例えば「表面はキラキラ系・裏面はブラック」といった組み合わせの色を使ってスプーンを泳がすと、魚からは表の色がチラチラ見え隠れし興味を刺激します。これらは一般的に「明滅カラー」と呼ばれています。
また金属にわざと凸凹をつけて光り方に変化を持たせたタイプのものや、発光塗料(ケイムラ)・偏光塗料(マジョーラ)を混ぜ、微妙に発光させるタイプなどもあります。これらの放直カラーほどのハデさはないものの「光にたいして食い気の高い魚」を狙っていくものを放流直後のセカンドカラーと呼びます。
覚えておきたいセカンド色の配色パターン
● 明滅系 :
表面が放流色のハデ系、裏面が黒やこげ茶系などメリハリのある配色。ウォブリングで光をチカチカさせるように見せる色。
● 金残し :
表面は放流色ほど派手さがない地味色が採用されているが、どこかに金色が見えている配色。放流魚がまだ釣りきってない状況で使う色。
活性が落ち着いてしまった時間帯:サードカラー
放流効果が落ち着いてきた時間帯、今度は魚が普段食べなれている色のカラーを選択していきます。主にブラウン(茶系)の色とグリーン(緑系)の色がこれにあたります。
池の状況を見て濁っている時(マッディ)はブラウン系統、水が澄んでいる時(クリア)はグリーン系統を選択していくのがセオリーと言われています。よくわからない時は、とりあえずカラシ色(マスタード)を選択すると良いでしょう。おそらくどのスプーンブランドもカラシ色は入っているかと思います。ここを起点に徐々に色を濃い方面に変更する(色を落としていく)のがサードカラーローテーションの基本となります。
ブラウン系、グリーン系となるとアバウトすぎるので、もう少しわかりやすくいうとペレットの色に近いカラーをオススメします。ペレットとは養魚場で魚が食べていた固形の餌。早い話がドッグフードと同じ原料のものです。(色味は「ドッグフード」で画像検索すると良い)管理釣り場で放流されている魚はほぼ100%といっていい割合で養魚場で育った魚ですので有効なカラーです。勿論クリアウォーター時の中活性以下の強すぎないアピール局面でも有効なカラーです。
水の色に近い色・水底の色に近い色
今度は逆に小さな変化を見せていくパターンで使われるカラーです。魚に対して「今何か動いた?」と反射的に反応させる事を目的とします。渓流に生息する水棲生物たちは魚に捕食されないよう、周囲の環境になじむよう擬態します。それらの細かな動きを見逃さずに捕食していこうとする魚の本能を刺激するパターンです。表層~中層域を引く場合は水の色に近い色。水底(ボトム)付近の魚を取る際は砂・土・藻・コンクリートなどボトムの色に近いカラーを選択します。初心者の場合なかなかボトムトレースは難しいので、表層~中層域を引くパターンをオススメします。カラーを選ぶ際、実際見える表面の水の色より一段階程度暗い色の方が釣りやすいようです。勿論クリアウォーター時の中活性以下の強すぎないアピール局面でも有効なカラーです。
曇天時、雲が横切って一時的に光量がさがった時
今では「ローライトパターン」とも言われています。
シルバーは金に比べて集魚力はおちますが少し活性の下がった時間帯で魚を反射的に振り向かせる事には有効なカラーです。「山の稜線に陽がかげったり」や「雲が空を覆う」など一時的に暗くなった時がチャンスです。ウォーターカラーがクリア~マッディ問わずに活躍してくれます。また昔から「放流のアカ金、曇りのアオ銀」といわれるよう青系の色と組み合わさる事が多いカラーです。山間の釣り場に出かける時は持っておくと良いでしょう。
ナイター
日中の明るさとは異なる状況で、光量はわずかな照明のみです。案外長く続く色は「ブラック」と昔から言われています。人間の目では暗い中でブラックはとても見えずらい色なのですが、案外チャート(蛍光)並みにシルエットがはっきりと出ると言われている色です。
エリアスプーンにおいてブラックは光沢のある「メタリックブラック」、光沢のない「マットブラック」の2つを別色として区別して使う事が多いようです。どちらかというと「メタリックブラック」はセカンド~サードのパターン。「マットブラック」はシルエット重視のパターンに属します。もちろん日中で中活性以下の強すぎないアピール局面でも有効なカラーです。
管理釣り場ドットコムがオススメする初心者必携カラー6色は?
各シーンで挙げたカラーは有効になる局面や汎用性を考えると管理釣り場を始める上で最初に揃えたい所です。ということで、①「蛍光色+金」②蛍光色+裏ブラック③ペレット色④ダークグリーン⑤シルバー(或いは青銀)⑥「マットブラック」を推奨いたします。もちろんこの6色だけですべてをまかなう事はできませんし、色数が増えれば戦略の幅や楽しみ方は当然無限に広がります。ですが、ちょっと試しに始めてみたいという方は、このカラーを中心に徐々にカラーを揃えていくことをオススメいたします。
もう少しだけ余裕がある方は…
上図の 蛍光オレンジのライン、蛍光チャートのライン、マット黒、青/銀の10色からスタートしてみる事をオススメします。どのブランドでもベースになっているカラーですので入手しやすい色です。
(PDFダウンロード)/ ※カラーの名前は異なる場合があります