8月1日(日)に群馬県前橋市、群馬フィッシングセンター中之沢で行われた大会の様子をまとめています。狩野祐太選手が夏の表層を意識するニジマスの口をキッチリと捉え、2016年夏に行われた中之沢大会以来2度目の優勝を手にしました。2位は持田幸也選手、3位はマグナム高田選手でした。
表彰台
大会成績・データ
TACKLE
優勝[37]狩野祐太(かのうゆうた)/ Yuuta Kanou
【Rod 】Whitewolf 606L-e (RC)
【Reel】’18 Exist (DAIWA)
【Line】AreaMaster Limited. Ester0.25 (VARIVAS)+leader
【Lure】Hunt0.4 /0.7 /0.9g ,Hunt Grande 1.0/1.3g(Newdrawer)#8,#10 color:Dimention/ディメンション
【Rod 】Whitewolf 62MLS (RC)
【Reel】’18 Exist (DAIWA)
【Line】Integration Hard (Newdrawer)
【Lure】Banna1.4 /1.7g #6,#8
2位[2]持田幸也(もちだこうや)/ Kouya Mochida
【Rod 】Synchronizer Valenty (Iyvyline)
【Reel】2000 (DAIWA)
【Line】Cherum Ambercode Ester0.3 (YGK)+Fluoro0.6
【Lure】HI BURST0.8(ValkeIN)
3位[39]高田能史(たかだよしふみ)/ Yoshifumi Takada
【Rod 】β-Magnum βm-61UL (Disprout)
【Reel】revo MGXtreme1000S (Disprout)
【Line】Teremetry Ester0.3 (Disprout)
【Rod 】β-Magnum βm-62UL (Disprout)
【Reel】revo MGXtreme1000S (Disprout)
【Line】Teremetry Ester0.3 (Disprout)
優勝者インタビュー
決勝戦の様子
予選
朝の気温は24℃。水温17℃。天候は晴れ時々曇り。8月の赤城山は夏の濃緑に色づく。池は回遊するニジマスがわかる透明度はあるものの池底に付着する藻が混じる程度にステインを残す。予選は5人1組の総当たり戦(10回戦)、10分x2ローテで行われた。
予選第1ローテは放流回。開始直後、放流色のスプーンでパタパタと釣れるが伸びは今一つ。この時期ストック池の水温が14℃と釣り池との環境差が若干あり、放流魚が一旦池に馴染むのを待ってからの釣りとなる。そのためか時間が経ってから蛍光色系統のハッキリとした色で反応がでるなど後からジワジワ効いてくる放流となった。予選第2回ローテからは例年の夏開催どおり上流側のA・Bの釣り座は反応良好で他の釣り座は「追いは見えるがなかなか口を使ってくれない」1尾を引っ張り出す悶絶タイムに突入する。「夏のボトム」パターンなども試されたが、反応こそあるものの長くは続かない。またこの日釣れた魚の特徴として針掛かりが浅い魚が多く、手元で落としてしまうシーンが多く見られた。マイクロスプーンや表層系のクランクなど表層レンジでの組立を中心に、差しパターンで中層・ボトムレンジを時より挟むといった展開が続く。
予選第5ローテで1度目の途中放流と場所ローテーションが行われる。やはり開始から5分までは反応が良いものの、後はジワジワ釣れていく展開。風がほとんどなく日が高くなるにつれて夏の日差しがますます厳しさを増す。しかしこの時間帯は雲がかかったり風が吹きこんだりと「夏の赤城山の気まぐれ」で環境に変化が起きると、そのタイミングでニジマスは上ずって釣果に繋がるという状況に。
予選第8ローテで2度目の途中放流と場所ローテーションが行われるがやはり1回目、5回目と同様の展開になる。8月の厳しい暑さの中での試合となったが何より暑さの中でのフィジカルマネジメント、集中力に加え、針掛かりが浅いクセのある魚への対応など、技術・体力・経験といった総合力が問われる過酷な予選となった。また全体的にチャート、蛍光グリーン、ピンク、オレンジなどアピール色の反応が良かった。
決勝トーナメント
決勝戦トーナメントは各組上位2人、計22人が進出。準準決勝(20→10※2名は準決勝シード)、準決勝(12→6)は10分x2ローテ。決勝戦は6人が進出。10分x3ローテーションで行われた。準準決勝、準決勝と炎天下の釣りとなったが、この時間釣果が伸びたのはやはり予選同様に表層付近の魚。クリアコンディションと日射の高さも手伝って浮き気味の魚ははっきりとシルエットをあらわす。沖から追ってくる状況が目で見て分かるサイトフィッシングの状況だが、各選手ともこの「見た目」に翻弄される決勝戦となった。
決勝戦は13時30分頃からスタート。気温は34℃。池中央付近を使用し本日唯一の片岸からのみの釣り。魚は自然とプレッシャーの少ない対岸側へ寄る。池の中央に位置する岩付近から奥への遠投し、そこから引っ張り出す釣りとなった。決勝戦第1ローテ、序盤動いたのは[2]持田選手と[37]狩野選手。ともに竿を立てて水面直下を引く表層マイクロスプーンの釣り。水面にスプーンが顔を出さない程度の水面直下ギリギリ2~3cmのレンジを沖からピックアップ手前まできっちりレンジキープして引いて来るという高い技術を見せる。後半にかけて[37]狩野選手がさらに1尾を追加しトップに躍り出る。
続く決勝第2ローテは反応が薄い時間となるが両者1尾ずつ取り合って1尾差のまま時間だけが過ぎていく。準決勝戦までは表層のプラグパターンも効いてフッキングまで至っていたものの、この時間は追いはしてくるもののなかなか口を使うまでには至らないというもどかしい状況。プラグパターンを選択していた選手も、なまじサイトフィッシングで追いの手ごたえが見えているだけに変えずらく、結果として釣果が伸びない原因となった。
決勝戦第3ローテは序盤[2]持田選手が同点に追いつくものの、すかさず[37]狩野選手も追加し再び1尾差。そして後半にも1尾を追加するとそのままタイムアップ。「今日釣れる魚から、より深い針掛かりを得るには?」という自身への問いに、予選から決勝中に至るまで、ずっとスプーン中心にこだわってフックセッティングx釣り方の工夫の組合わせをブラッシュアップし続けた[37]狩野選手の積み上げの勝利となった。狩野選手は2016年以来となる夏の中之沢大会、2度目の優勝を手にした。
大会協賛
● ヤリエ ● FOREST ● 群馬フィッシングセンター中之沢
敬称略、順不同
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